コウイカの精子除去行動

(10.7MB, 00:00:37)
撮影日:2000/03/29

* 種類
コウイカ
Sepia esculenta

キーワード
コウイカ
精子置換
精子競争



和田年史
(Toshifumi Wada)
2005/02/28登録


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コウイカの交接はペアの頭部が向き合った格好で行われる。雄は自分の精莢を射出する前に、左右の腕を使って、過去の交接によって雌の口の下に付着させられた精子塊を掻き出す。そうすることで、他雄の精子数を減らし、自分の子孫をより多く残そうとしている。注目すべき点は、除去された精子塊片が直接目視できることである。これは昆虫を含めた多くの動物の中でも初めての報告である。ビデオのフォーマットはmov、映像圧縮形式はsorenson。

以下がこの映像を用いた論文の要旨の日本語訳である。

コウイカの精子置換行動が水槽内で観察された。コウイカの雄は自らの精莢を射出する前に、左右第?腕を使って、雌の口球周口膜上に付着している精子塊を掻き出した。掻き出された精子塊片は直接目視でカウントすることが可能であった。除去された精子塊片の中には活性のある精子が含まれており、この掻き出し行動が競争相手である他雄の精子除去を目的としていることが示唆された。しかし、除去行動後でも雌の口球周口膜上には多くの精子塊が残されていたことから、コウイカの精子除去が不完全であることが示された。精子除去に要する時間(精子除去に対する雄の投資量の指標)は交接ペアの体サイズ、現行の交接における精莢定置時間(仮説:精子除去が自らの精莢付着スペースを確保するために機能している)、過去の交接によって付着させられた推定精子塊数のいずれにも影響されなかった。さらに、その雌と前回交接した雄が自分自身であるか否かにかかわらず精子除去が行われたことから、雄は他のライバル雄の精子だけではなく自分自身の精子も除去していることが示された。除去された精子塊数は除去時間の経過とともに増加するが、雄は他個体による交接妨害のリスクを避けるために精子除去時間を短くするかもしれない。この時間的制約がコウイカの部分精子除去の程度に影響していると考えられる。

Toshifumi Wada, Takeshi Takegaki, Tohru Mori and Yutaka Natsukari (2005)
Sperm displacement behavior of the cuttlefish Sepia esculenta (Cephalopoda: Sepiidae). J. Ethol. DOI 10.1007/s10164-005-0146-6

(データ番号:momo040729se01a)

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